今回は、分散投資と集中投資についての記事です。資産運用では、「安全の為に分散投資」「集中投資は危険」という印象があるかもしれません。しかし、本当に分散投資が安全で、集中投資は危険なのでしょうか?
私は、過去の経験から現在は3~4銘柄程度の比較的リスクの少ない日本株に集中投資をしているのですが、そうなった経緯や理由を詳しく書いてみたいと思います。
「分散投資」と「集中投資」の違い
分散投資
分散投資とは、値動きの異なる複数のものに分散して投資する方法です。
「業種などが偏らないように、たくさんの株を少しづつ保有し分散する人」もいれば「株以外にも、債券や不動産(REIT)、外国株式、金などに細かく分散する人」もいます。一部が下落しても、他の部分でカバーすることで、リスクを抑える投資法です。
集中投資
集中投資とは、言葉の通り銘柄数を絞り厳選する事で効率的に利益を上げる投資法です。
分散していない分、上昇すれば利益は大きいですが、下落した時のダメージが大きくなる為、「ハイリスク・ハイリターンな投資」と言われています。
分散投資をやめた理由
資産が増えない
投資を始めた頃は、不安や自信の無さから複数の会社の株を少しずつ買って保有していました。
たくさんの銘柄を少しづつ 保有していたので、リスクは抑えられました。しかし、保有株の中の一つが大幅に上昇しても、分散している影響で全体の資産はほんの少ししか増えませんでした。
管理や分析が面倒
そして何より分散投資では、管理や分析するのが大変でした。
分散して保有銘柄を増やすということは、それだけ分析する会社の数が増えることになります。そうなると決算発表の時期も被るようになり、一つ一つの会社に割ける時間が減るため浅い分析しか出来ていませんでした。
その結果、「なんでこの株を買ったんだっけ?」と保有目的が曖昧になってしまい、少しの暴落で、すぐに手放してしまっていました。
集中投資をおすすめする理由
「資産が少ない内は、分散投資をしていても、一向に資産は増やせないのではないか?」と考えるようになりました。
集中投資は、厳選した会社にだけ投資できる
そもそも、「本当に割安で成長が期待できる会社」というのはそう多くはありません。
そこで、そのような会社を見つけたら思い切って集中投資してみる事をおすすめします。
集中投資で得られるメリット
- 投資する会社を厳選する必要があるため、選別基準が高まり安易な売買が防げる
- 監視する銘柄数が減ることで、ひとつの会社に割ける時間が増える
自信のある銘柄を見つけて集中投資する事で、上手くいけば飛躍的に利益を伸ばせる可能性もあります。
集中投資のリスクを抑える方法とは?
集中投資であっても、銘柄選びを気を付けることで、リスクを抑えることが出来ます。
リスクとリターンは比例しない
まず、リスクとリターンの関係について説明します。
多くの人が「取るリスクが大きくないと、期待リターンは大きくならない」と思っています。しかし、成功している投資家はリスクとリターンに比例関係があるとは考えません。
例えば、優良企業が「割安で放置されていたり、一時的に売られ過ぎているタイミング」を狙う事でリスクに対して期待リターンが圧倒的に高い投資をすることが出来ます。
リスクを抑える方法
リスクを抑えたいなら、値動きの荒い高PER株に投資することは避けましょう。
私は、流行り廃りが激しいスマホゲーム会社など業績予測が困難な会社の株や、収益モデルが難解だが、過度な期待をされているハイテク株などは、リスクが大きいと考えているため投資対象から外しています。
そして、リスクを抑える為に、介護用品のレンタルや、人材派遣会社、消耗品の製造販売など、地味でも収益モデルが分かりやすい会社の株を買うことが多いです。
投資対象にしている例
- 利益の出る仕組みが自分で簡単に理解できる会社
- ストックビジネスであり、利益に大きなムラが出ない
- 業績拡大余地がある
- 毎年少しずつでも成長している(増収増益・増配している)
- 自社製品開発に力を入れていて、利益率が上がっている
収益モデルが分かりやすい地味な会社に投資する事で、大幅な上昇は望めないかもしれませんが、リスクを抑えることは出来ます。
集中投資というリスクを取っているのに、無理して値動きの荒い株に資金を投じる必要はないのです。
地味でリスクの少ない会社でも、集中投資することにより十分な利益を生むことが出来ます!
資産が増えてきたら、分散投資も必要
分散投資と集中投資のどっちが良いかは、資産額にもよります。
基本は、「集中投資=攻めの投資」「分散投資=守りの投資」だと考えて下さい。
資産が少ないうちは、数銘柄に集中投資して攻めることは必要だと思っています。しかし、投資に成功しお金持になれたのなら、少しづつ「分散投資して資産を守るための戦略」に変えることも大切です。
投資の神様ウォーレン・バフェットも、「2回お金持になるのはただのアホであり、1回お金持ちになったらそれ以降はそのお金をリスクに晒してはいけない。」という言葉を残しています。
ずっと集中投資で攻め続けるのではなく、資産の量に応じていずれは「守りの投資」にシフトしていくのが理想なのではないでしょうか?